咬み合わせは、食事をするだけの機能ではありません。全身のバランスに影響しており、全身の健康と深い関わりがあります。
咬み合わせを整えることは、全身の調子を整えることにつながります。
咬み合わせが悪いと、口腔内では汚れが溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
しかしそれだけではありません。咬み合わせのズレは頚椎のズレにつながり、さらには全身の骨格や筋肉のズレ、血流の悪化になります。
そうなると、単に口の中だけの問題にとどまらず、全身の健康に影響を及ぼします。
頭痛や肩こり、自律神経の乱れなど、さまざまな不調の原因になることがあります。
咬み合わせが悪いと、顎の筋肉に左右の不均等が生じます。これにより全身のバランスが崩れ、姿勢が悪くなったり、身体能力の発揮に支障をきたしたりします
また、そのまま年齢を重ねると、将来的に転倒しやすくなります。
咬み合わせが悪いと、頭痛や肩こりを引き起こしやすくなります。
顎のズレがあると、周囲の筋肉が過剰に緊張する状態になり、首や肩への負担が大きくなり、痛みやこりとして現れるものです。
また、顎が後ろにズレている場合は、耳の近くを通る耳介側頭神経や浅側頭動脈が圧迫され、片頭痛が引き起こされることがあります。
咬み合わせの悪さは、自立神経へも影響を及ぼします。
顎の筋肉のバランスが崩れると、ストレスが増加し、交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、自立神経系が狂うことがあります。
自律神経の乱れによる症状は様々ですが、例えば、倦怠感・目眩・立ち眩みなどがあげられます。精神的な症状としては、不安感・疎外感・落ち込みなどがあります。
咬み合わせ治療では、咬み合わせのズレなど、咬み合わせの不調を治す治療です。
矯正治療や被せ物の咬合調整、義歯の調整などがあります。
咬み合わせの問題が顎関節に影響を及ぼしている場合には、スプリントやマウスピースを利用し、顎関節の緊張を和らげる治療を行うことがあります。
噛み合わせの問題で、一部分だけ咬み合わせが強いようなケースでは、被せ物の咬合調整を行うことで、症状が改善することがありますが、全体的な咬み合わせの改善には、矯正治療が必要です。
咬み合わせをしっかり治すのには、矯正治療が有効な方法です。
矯正治療は歯並びの見た目を整えるだけの治療ではありません。
正しいかみ合わせすることで、お口の機能を高め、虫歯や歯周病から歯を守ります。そして、全身の健康維持につなげることができます。
矯正治療はどの年齢から始めても、治療によるメリットが受けられます。
子供の頃からの治療はもちろん、大人になってからの治療も非常に有効です。
子供の矯正治療で場合は、永久歯の歯並びの土台となる治療なので、咬み合わせまで全て正しく治すのは難しいことがあります。
正しい咬み合わせにするためには、永久歯になってからの矯正治療であるワイヤー矯正やマウスピース矯正が有効です。
歯の表面にブラケットという装置を取り付け、そこにワイヤーを通して力をかけることで、歯を動かす治療です。装置を表側につける場合に目立ってしまう点と、固定式で隙間に汚れがついて溜まりやすい点が難点ですが、さまざまな症例に対応できる矯正方法です。
歯を大きく動かす症例や噛み合わせが複雑な症例でも対応が可能です。
透明なマウスピースを装着して、一定期間ごとにマウスピースを交換しながら、徐々に歯並びを整えていく方法です。当院では、マウスピース矯正でシェアNo1の「インビザライン」を導入しています。
装置が目立たない点が人気で、歯磨きや食事の時に取り外すことができます。
多くの症例に適応しますが、複雑な症例ではワイヤー矯正の方が適していることがあります。