叢生|西宮にある矯正歯科【保田矯正歯科】

叢生とは何か


「叢生」とは、「歯ががたがたしている」「歯が生えてくる場所がない」といった状態のことを指します。矯正の相談にみえる方の多くに見られる症状です。顎の大きさに対して生えてきた歯のサイズが大きいと、歯が並ぶスペースが不足して叢生になります。子どもの歯(乳歯)が抜けたあと、大人の歯(永久歯)が変なところから生えてきた!と驚かれることも多く、乱杭歯や八重歯がこれに該当します。

ちなみに叢生の「叢」という漢字は「くさむら」とも読みます。先人はごちゃごちゃした感じを表そうとしたのでしょうね。一方、英語では”crowding”と表記され、英英辞典によれば”a situation in which people or things are crowded together”とあります。

叢生のイラスト

叢生になる原因


遺伝的要因

顎の大きさと歯の大きさは生まれつき決まっています。顎が小さい、あるいは歯1本1本が大きいと顎と歯のサイズの不調和(Arch length discrepancy)が生じて叢生となります。原因はアンバランスということです。

環境的要因

歯の生え変わりが上手く進まなかった場合も叢生になることがあります。乳歯が抜けないまま永久歯が異常な場所から生えてきたり、虫歯など何らかの理由で乳歯が通常よりも早く抜けてそのスペースに隣の歯が移動すると歯並びに悪影響を及ぼします。

また、口呼吸・指しゃぶり・頬杖などの悪い癖(習癖)によって歯並びや顎の形に異常をきたすことがあります。特に口呼吸は、舌の位置が本来あるべき場所より低い位置にありますので、歯列が頬の内向きの力(頬圧)を受けやすくなり幅の狭い歯並びになってしまいます。そのため前歯がきちんと生える場所が無くて「がたがた」する訳です。

叢生を治す矯正方法


子どもの矯正治療


成長期のお子さんの場合は、口呼吸に伴い舌の位置が悪くて上顎が狭くなっていることがしばしばありますので、顎の側方拡大や顎の成長促進・習癖の改善などで顎の正しい成長を促します。上顎には正中口蓋縫合という骨の繋ぎ目があり、ここを開大させることで上顎の歯列が拡がります。歯の生え変わりに応じて乳歯のサイズ調整(スライスカット)を行い、永久歯の生えるスペースを確保する場合もあります。上の前歯だけにブラケット装置を装着して並べると見た目の印象が大きく改善します。

無邪気に笑う子ども

思春期、大人の矯正治療


上下の歯にブラケット装置を装着し、全ての歯を3次元的に動かすことで歯並びを改善します。叢生とは歯を並べるスペースが不足している状態ですので、歯を抜いてスペースを確保すること(便宜抜歯)が多いです。6人が定員の長椅子に7人で座るととても窮屈ですが、1人に立ってもらうとすんなり座れるというイメージです。他にも歯を削って小さくする(IPR)・骨を支えに歯を動かすために歯茎にネジを打つ(アンカースクリュー)などの工夫が必要です。これらはケースバイケースです。

マウスピース型矯正(インビザライン)


目立ちにくい透明のマウスピースを用いて歯を動かします。食事や歯磨きをするときは外すことができます。ただし、症例によっては使用できない場合があります。

マウスピース矯正をつけようとしている女性

当院の叢生の治療例-小児矯正(I期治療)-


治療前


小児矯正(I期治療)Before
小児矯正(I期治療)Before
小児矯正(I期治療)Before
小児矯正(I期治療)Before
小児矯正(I期治療)Before

治療後


小児矯正(I期治療)After
小児矯正(I期治療)After
小児矯正(I期治療)After
小児矯正(I期治療)After
小児矯正(I期治療)After
症例分類 叢生
主訴 上下の前歯ががたがたしている見た目が気になる
年齢 7歳6ヶ月
性別 女性
抜歯部位 なし
使用装置 拡大装置、上顎前歯部のセクショナルアーチ装置
治療期間 1年8ヶ月
保定装置 取り外し式保定装置
費用 相談料0円、検査料50,000円
動的矯正治療費440,000円
調整料6600円×17回分
保定装置料0円
リスク・注意点 上下の個々の歯の大きさに対して上下の顎が小さく、歯が並ぶスペースが不足したために叢生が生じている。
これらを改善するために、幅の狭搾している歯列を側方に拡大した。
保定装置の装着時間が十分確保できない場合、叢生が再発する可能性があります。
上下両側第二大臼歯の萌出を観察する必要があります。

当院の叢生の治療例-成人矯正(II期治療)-


治療前


成人矯正(II期治療)Before
成人矯正(II期治療)Before
成人矯正(II期治療)Before
成人矯正(II期治療)Before
成人矯正(II期治療)Before

治療後


成人矯正(II期治療)After
成人矯正(II期治療)After
成人矯正(II期治療)After
成人矯正(II期治療)After
成人矯正(II期治療)After
症例分類 叢生
主訴 前歯ががたがたして咬みにくい
年齢 19歳1ヶ月
性別 女性
抜歯部位 上顎両側第一小臼歯、下顎両側第二乳臼歯
使用装置 歯の表側からのマルチブラケットによる矯正装置
治療期間 3年3ヶ月
保定装置 取り外し式保定装置
費用 相談料0円、検査料50,000円
動的矯正治療費935,000円
調整料6600円×30回分
保定装置料0円
リスク・注意点 上下の個々の歯の大きさに対して上下の顎が小さく、歯が並ぶスペースが不足したために叢生が生じている。
これらを改善するために、幅の狭搾している歯列を側方に拡大したのち、上顎両側第一小臼歯、下顎両側第二乳臼歯を抜歯して、このスペースを用いて歯を排列した。
矯正での歯の移動のリスクとして歯根吸収、歯肉退縮が考えられます。
保定装置の装着時間が十分確保できない場合、叢生が再発する可能性があります。